2010/01/08

参考文献 (2) / Reference (2) / Referencia (2)

平井真希子「カリクストゥス写本の楽譜史料」,『西洋中世研究』1,2009年,106-122頁.


【写真:Codex Calixtinus, fol.214(一部)】

 2009年4月に発足したばかりの西洋中世学会の学会誌『西洋中世研究』の第1号が届いた。雑誌の詳細・目次はリンク先に譲るとして、上記の文献がサンティアゴ巡礼と無関係ではないので、このエントリィで取り上げてみる。

 そもそもサンティアゴ巡礼の起こりは、9世紀にヤコブの墓が現在のサンティアゴ・デ・コンポステーラで「発見」されたところにあるが、本格的にフランスからの巡礼が盛んとなるのは11世紀以降のことである。巡礼が盛んとなった12世紀に作成されたのがこの論文の史料ともなっているカリクストゥス写本Codex Calixtinusである。
 この写本はサンティアゴ巡礼の案内書としての役割が指摘され、以前取り上げたレーモン・ウルセルの『中世の巡礼者たち』でも第5章・第6章で論じられている。

 この論文によれば、カリクストゥス写本は現在サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂に保管されており、195のフォリオからなる。作成の年代については様々に議論があり、1130年代から1170年代と幅がある。作成場所については、サンティアゴ・デ・コンポステーラを主張するものもあるが、フランスのノルマンディ地方からロワール地方との説が有力であるらしい。
 写本は全体で6部構成になっており、第1巻Liber Iから第4巻Liber IVと、『偽テュルパン年代記Historia Turpini』と補遺に分かれている。このうち第1巻から第3巻までが聖ヤコブに関する儀礼・奇跡物語など、『偽テュルパン年代記』はシャルルマーニュの物語、第4巻がサンティアゴ巡礼路の旅行案内、補遺が典礼音楽の楽譜を含んでいる。


 ……本題である楽譜に関する議論は、(問題が提起されただけで完全な結論が出ていないということもあり)十分に理解できたとは言えないが、単旋聖歌からポリフォニー(多声音楽)への発展において、カリクストゥス写本が持つ重要性は朧気ながら理解できたと思う。(むしろ、個人的には、ウルセルの著書を読んだまま忘れていた写本に関する情報や当時の巡礼をめぐる思惑など、興味深い問題点を再確認することができた点がよかった。)



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Mariko HIRAI, "Notated Music in the Codex Calixtinus: Polyphonic Notator and a Green Line," Medieval European Studies(『西洋中世研究』=Seiyo Chusei Kenkyu), no.1, 2009, pp. 106-122.

This article is written only in Japanese but has an English summary. In this article, the author introduces a question about a green line on one of the scores from the Codex Calixtinus, in which most of the lines were written in red. This question might suggest an important link between monophony and polyphony but is still remaining unsolved. (This is my comprehension of the article and it might be incorrect because of my misunderstanding.)

(Photo: Codex Calixtinus fol.214)
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===(resumen)=================
Mariko HIRAI, "Notated Music in the Codex Calixtinus: Polyphonic Notator and a Green Line," Medieval European Studies(『西洋中世研究』=Seiyo Chusei Kenkyu), no.1, 2009, pp. 106-122.

Este artículo se escribe sólo en japones pero tiene un resumen inglés. En este artículo, la autora introduce una pregunta sobre una línea verde en una música del Codex Calixtinus, en que la mayor parte de las líneas eran escritos en rojo. Esta pregunta puede sugerir una conexión importante entre monophonía y poliphonía pero no está resuelto. (Este es mí comprensión de este artículo y puede ser incorrecto a causa de mí malentendido.)

(Foto: Codex Calixtinus fol.214)
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